中学高校入試では、ペーパーテストでの偏差値がとても重要ですが、小学校受験では、ペーパーだけを重視する学校はとても少ないのです。普段の生活態度や子供の創造力・表現力等、お子さまの背景である家庭生活と、その子供の持つ人間性がいかに豊かに育まれているかを重視する学校が、ほとんどであるといっても良いでしょう。

例えば慶応幼稚舎では、入試にペーパーテストはございません。昨年は「自分にとってニュースな絵」を描き説明するというものでした。「自分にとってニュースな絵」お子様はどのようなことをお考えになるでしょうか。家族以外の人の前で自分の発想を表現し、どれだけ積極的に的確に気持ちを伝えることができるかが大切になってまいります。

さらにご挨拶から始まり、自分の名前や生年月日、自宅の住所や電話番号がハキハキト正しく言えるでしょうか。加えて、例えば上履きに履き替える時の様子、人のお話を聞いたり、待っている時の態度等、何気なく出る家庭で躾けられた「自然な生活態度や人間性」を学校はしっかりとみています。

そしてもちろん受験には、ほとんどの学校においてお父様・お母様の面接がございます。面接官から質問されることは仕事や会社のことだけではなく、お子さまのことであり、又お子さまを通して社会をどう見るか、我が子には今後どのように育って欲しいと考えているかといった事などです。

社会経験を積まれたお父様なら大丈夫なはずと甘く考えていると...ご家庭の教育方針を聞かれ、支離滅裂になり上手く話ができなかった、子供について知らないことが多いことにその場で気が付いたと反省されるお父様は意外に多くいらっしゃいます。

初めに申し上げましたように学校側はお子さまのペーパー試験の結果や態度だけでなく、お父様・お母様の面接や願書の内容を通して、ご家庭の考え方や教育方針を、合否の大きな判断材料にしているのです。

小学校受験においては、子供が誕生してお試験を受けるその日までの両親の教育方針「おもい」と、又いかにその教育方針が愛情あふれる中で実践されてきたかが、問われるのです。